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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-14-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-14-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-13-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-13-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-12-
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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-11-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-11-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-10-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-10-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-9-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-9-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-8-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-8-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-7-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-7-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-6-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-6-

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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-5-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-5-

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「追試───ですか?」

佐倉くんから呼び出しの話を聞いた翌日の早朝。
私は職員室にいた。
大きなため息と共に、がっくりと肩を落とす。
追試だなんて。
転入早々、なにやってるんだろ、私。

「いやいや、園田。勘違いするなよ?
お前はなかなかの成績だったから。転入から間もないのによく頑張ったな」
先生は束になった答案用紙をパラパラめくりながら、満足そうな笑顔を見せた。
「え?」
ほんとに!?
「じゃあ今日は…?」
追試が理由でないのなら、呼び出される心当たりがみつからない。
「実は、園田に頼みたいことがあってな」
なんだろ。
私は意味も分からず曖昧に頷く。
「うちのクラスに、あまりにもテストの成績の悪い男子がいてな。先生も毎度、頭を抱えてるんだ」
それとこれと、私を呼び出したことに何の関係があるの?
ちゃんと順を追って話してくれなきゃ、わかんないよ、先生。
「申し訳ないんだが、そいつに少し勉強を教えてやってもらえないか?」

は?

「私が、ですか?」
何で?
「教科は英語。園田、帰国子女だろう?
あいつに自主的にやれって言ってもやらなさそうだからな。誰かにマンツーマンで教えてもらえば嫌でもやるだろうし、身にも入る。園田なら本場仕込みで確かだと見込んだわけだ。テストの成績もなかなかよかったぞ?」
そう言って答案用紙をめくる。
成績が良かったのは嬉しいけど。
でも、それとこれとは話が別。

向こうでの英語は、自分が生活していく上で最低限必要だった事だから、必死で勉強した。
生活できる程度の英語は身につけたけど、会話が中心で高校英語を教えられるほどの実力はないよ。
今回のテストだって勉強した上での成果であって、海外生活とはほとんど関係ないもん。
海外にいたから英語ができるなんていうのは、日本人の先入観だよ先生。

「人助けだと思って助けてやってくれないか?」
先生は申し訳なさそうに私を見た。
教えるのって放課後だよね?
そしたら部活に行けなくなっちゃうよ。
ただでさえ学祭まで時間がないのに。


「放課後一時間でいい。そのほうが集中してできるだろうし、その後部活にも行けるから問題はないだろう?」
「でも…」
「園田は美術部だったな?顧問の清水先生にも私の方から言っておくから。すまんが頼まれてくれないか?」
そう言って先生は、顔の前で手を合わせた。
うっ。
そういう困った顔に弱いんだよね、私。
どーしてもとか言われると断り切れない。
ママにも『居留守を使ってもいいから、ましろは訪問セールスには出ないでね?』ってきつく言われてるぐらい。
人に頼まれるとNOと言えない意思の弱い性格は、昔からちっとも変わってない。


「おはようございまーっス…」
職員室のドアが開いて、男子生徒が職員室に入ってきた。
短い髪をかったるそうに掻きながら、ナイキのスポーツバッグを斜めがけにして入ってきた男の子。
その姿を見てぎょっとした。
眠そうな顔で、たらたらとこっちに歩いてくる彼。
まさか。
英語を教える男子って……。


「噂をすれば、だ」
先生がため息をこぼしながら肩をすくめた。
そして手を上げると。
「夏木、ここだ」
大きく手招きをした。
夏木って呼ばれた彼、蒼吾くんは。
ジャージのポケットに手を突っ込んだ姿勢のまま顔を上げるとこっちを見た。
目が合う。

う、わ…っ。

慌てて視線を逸らした。
露骨過ぎてちょっと申し訳ないくらいに。




「夏木ぃ、お前は何度言ったらわかるんだ? ジャージじゃなくて、ちゃんと制服着てこいって言ってるだろうが」
「あー…、今日この後、朝練あるんっすよ。着替える時間がもったいなくて」
かったるそうに頭を掻いた。
「その部活への意欲をもう少し、勉強に向けてくれれば、多少違うんだがなぁ」
大きなため息。
「まぁいい。朝練が終わったらちゃんと制服に着替えろ。ジャージのまま授業、受けるなよ?」
先生はため息をつきながら椅子を返して机に向かうと、束になった答案用紙を手に取った。
「昨日も言った通り後がないぞ、夏木。
追試までの勉強を園田に見てもらえるように頼んでおいた。好意に感謝してお前も身を入れて勉強しろよ?」
「あー…、はい…っす」
蒼吾くんがめんどくさそうに頭を掻いた。

「えっ」

あのっ、先生?
私、まだ何も言ってないんですけど!?
引き受けるなんて、一言も…。


私は、酸素の足りない金魚のように口をパクパクさせながらキョドってたけど。
先生はそれに気付いてくれなくて。
「じゃ、頼んだぞ。園田」
そのひと言で、蒼吾くんに英語を教えることが決まってしまった。






サイアク。




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