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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-6-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-6-

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────また寝てる。


回ってきたプリントを後ろに渡しながら、私はチラリと振り返った。
廊下側の一番後ろ。
机にうつ伏せて気持ち良さそうに眠ってる蒼吾くん。
午前の授業中もずっと寝てた。
追試になるはずだよ。
蒼吾くんが起きてる授業って体育の時間と、科学の実験ぐらいだもん。
こんなので大丈夫かな。
放課後を思うと不安がよぎる。

寝癖のついた頭が微かに動く。
前の席からプリントを渡され、面倒くさそうに頭を上げると大きな欠伸をしながらそれを受け取る。
ふと。
視線を感じた蒼吾くんがこっちを振り返った。
ばっちり視線がぶつかる。
やばっ。
見てるのばれた?
私は慌てて前を向いた。

やだな、だんだんお腹が痛くなってきた。
このまま保健室に行って、理由をつけて帰っちゃおうかな。
授業も上の空で、ずっとそんな事ばかり考えてた。



そうこうしている間に、あっという間に放課後はやってきて。
6時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
授業を終えたクラスメイト達が、帰り支度を始める。
部活に行ったり、そのままクラスに残って話をしたり。
みんなそれぞれ。
お腹は相変わらずちくちくと痛むんだけど、保健室に行くほどじゃなくて。
嘘をついて逃げられるほど器用じゃない私は、しょうがなく放課後を迎え入れた。
後ろの席を振りかえる。
「───あ、れ…?」
いない?
蒼吾くんの姿が見当たらない。
机の横に掛けられた大きなスポーツバッグもない。
もしかして───帰っちゃった?
さぼり?
うそ。
「…やったっ」
机の下で小さくガッツポーズ。
彼の方からサボったのなら、私は悪くないよね。
本人が帰っちゃったんだからしょうがないもん。
よし。
今のうちに私も帰っちゃおうっと。
部活、行こう。
そう思って荷物を鞄に詰めて立ち上がろうとしたら。
フッって。
机に影が出来た。

────え?

顔を上げると。
スポーツバッグを肩に掛けて教科書と筆記用具を片手に、蒼吾くんが目の前に立ってる。

うそ。
いつからいたの?






「どこ?」
え?
「前か後ろか隣」
何?
「どこに座れば、い?」
あ、…えっと。
「じゃ、じゃぁ…後ろ、に…」
「おう」
無愛想に頷いた後、ドカって、後ろの席に腰を降ろした。
帰ろうとしてたのばれなかったかな。
内心ヒヤヒヤしながら、慌ててしまいかけてた筆記用具を取り出した。




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