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魔法のコトバ*  Season6 気付いた想い-1-
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魔法のコトバ* Season6  気付いた想い-1-

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「あれ?ましろ。そういう髪型珍しいね?」
休み明けのいつもの朝の待ち合わせ。
おはよって言葉よりも先に、凪ちゃんが珍しそうに私を覗き込んだ。
「似合わないかな…?」
「いいよ、それ。ちゃんと顔が出てる方が可愛い」
私を覗き込んで笑った。
「よかった」
締りのない顔で笑う。
あ…。
これもたぶん蒼吾くんが言ってた緩みっぱなしの顔。
あの時の言葉がよぎって、また慌てて表情を戻す。
「へんなましろ」
凪ちゃんが苦笑した。
おでこに風が当たって変な感じ。



───こうやって顔を出した方が可愛いのに。

あの日の、佐倉くんの言葉がすごく嬉しくて、毎日ただ降ろしてただけの前髪を小さな花のヘアピンで留めた。
視界がいつもより明るくて変な感じ。
まだちょっと慣れない。
この前髪のせいで朝の支度がものすごく慌しくて。
あーでもない、こーでもないって。
鏡の前で奮闘する自分がおかしくて、なんだかくすぐったい。

「どういう心境の変化?何かいいことでもあった?」
ニヤニヤしながら、凪ちゃんが顔を覗き込んできた。
長い睫毛が小さく揺れる。
…わ。
視界が広いから、凪ちゃんの綺麗な顔がいつもよりはっきりと見える。
やっぱり美人だ。
「あ。そういえば…。昨日、出かけてた?」
「うん。どうして?」
「選んで欲しいものがあったから、買い物に誘おうと思ったんだけど…」
「連絡くれればよかったのに」
「ケータイ、つながらなくて…」
「いつ?」
「夕方頃かな」
「…ああ、うん。電源切ってたから」
え?
「何で?」
「ケータイの調子が悪くてね」
「ふうん」

玄関で上靴に履き替えてると。
「日下部」
ふいに呼び止められた。
ブレザーに白い校章。一年生の男子。
同じクラスじゃないけど見たことがある気がする。
…誰だっけ?
「おはよう」
目が合うと、爽やかに笑った。
来るのをずっと待ってた感じ。
凪ちゃんはその人を一瞥すると、普段と変わらない様子でローファーを靴箱に突っ込んだ。

「昨日は────」
「ごめんね、また後にしてくれるかな?」
言いかけた男の子の言葉を遮った。
「いこ、ましろ」
私の手を引いて急ぎ足で階段へ向かう。
え、え…?いいの?
「日下部っ!」
声が追いかけてくる。
「凪ちゃん?」
「いいの、いこ」
振り返りもしないで、急ぎ足で階段を駆け上がる。
男の子は教室までは追ってこなかった。
途中で諦めたのかな。
教室に入ると凪ちゃんは、普段と何も変わらない様子でクラスメイトと言葉を交わす。

あの人きっと、凪ちゃんを好きなんだ。
凪ちゃんが呼び出されたり、声を掛けられたりするのは大抵そういう理由。
でも凪ちゃんがこんな風に逃げだしたりするのは初めて。
あの人と何かあったのかな。
私の思い過ごしだといいんだけど…。





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