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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-10-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-10-

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「それで昨日は部活に来なかったんだ」
翌日の美術室。
棚から画材道具を出しながら佐倉くんが言った。
「調子が悪いのかと思って心配してたんだ。良かったじゃん。蒼吾と仲直りできて」
「うん、まだぎこちないけど…」
また少しずつ、昔みたいに話せるといいな。
画材道具を出し終えた佐倉くんに買ってきた缶コーヒーを渡して、自分も空いていた椅子に腰かけてリングプルを開けた。
「そもそも何でギクシャクしてたんだっけ?」
喉を潤すと、佐倉くんが不思議そうに聞いてきた。
そっか。
あの事件は佐倉くんが転入してくる前だったから、詳しい理由は知らないんだっけ。
そっか。
あの時いなかったんだ、佐倉くん。
「もう仲直りしたから、あまり追及しないで」
「何だよ、それ」
「内緒ってこと」
「ましろちゃんが嫌なら深くは聞かないけど…。
そういえば蒼吾の勉強の方はどうなの?追試いけそう?」
「うん。蒼吾くん、頑張ってるから」
昨日の課題ちゃんとやってきたんだよ?
すごいよ。
小学校時代、宿題をやってこなくて写してばかりだった蒼吾くんが課題をきちんとやってくるだけでも進歩。
答えは間違いだらけだったけど。
それでもやる気がある分、全然違う。
私も頑張らなくちゃって思えちゃう。


「よし!頑張ろっと」
私はエプロンを身につけて、描きかけのキャンバスに向かった。
ちっとも進んでない真っ白なキャンバスを見ると、今まで憂鬱だったけど。
蒼吾くんも頑張ってるんだもん。
私だってやらなきゃ。


「今日はなんかすごく機嫌がいいよな」
佐倉くんが苦笑混じりに準備室から顔を覗かせた。
「鼻歌。準備室まで聞こえてる」
その言葉に、思わず口元に手を当てた。
私、歌ってた?
無意識に口ずさんでたんだ。
なんだかちょっぴり恥ずかしい…。

「蒼吾と仲直りができたから?」

「…え?」

「機嫌のいい理由」

そんなつもりはないんだけど…。




「蒼吾が、好き?」




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