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魔法のコトバ*  Season6 気付いた想い-14-
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魔法のコトバ* Season6  気付いた想い-14-

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「血、止まった?」
そっと指が触れた。
佐倉くんの細くてちょっぴり冷たい指先。
「これ、とりあえず当ててて。俺、絆創膏もらってくるから」
そう言って私の指をハンカチで包み込んだ。
「いいよ、汚れちゃう」
「いいから座ってて」
そう言って軽く頭に手をやると、佐倉くんは扉の向こうに消えた。



どうしよう。どうしよう。
嬉しい……。

きゅってハンカチを握りしめる。
顔の筋肉がへらへらって緩むのがわかった。
佐倉くんが触れた頭が、手が、指が。
嬉しくて、愛おしくて。
涙が出そうになる。
手からそっとハンカチを離す。
1センチにも満たない小さな切り傷。
もうとっくに血は止まってる。
佐倉くんの唇の感触を思い出したら顔が火照る。
まだ高鳴る胸に手を当てながら、佐倉くんが触れた指にそっと唇を当てた。










「おい」



ビクっって。
体が跳ねた。
本当に跳ねたと思う。
じわりと振りかえると、窓の外に見覚えのある顔。
「…夏木、くん?」
うそ。
いつからそこにいたの?


今の、見てた…?


「何やってるんだよ、お前…」
「なに…って……」
佐倉くんと間接キス…って思う辺り、どうかしてる。
っていうか、かなりイタイ。
みるみるうちに顔が真っ赤になった。
「佐倉は?」
「保健室に行ったよ」
「…ふーん…」
無愛想に窓から覗き込む。
その額には薄っすらと汗。
制服を着てるから部活中じゃないよね?




あれ?



「追試は!?」
一気に顔の熱が冷めた。
ここにいるって事は、追試が終わったんだよね。
「ん」
無愛想に袋が差し出された。
「なに、これ…」
「やるわ、それ。好きだろ、ドーナツ」
ポンデライオンの袋。ミスドだ。
なんで…?


「礼だよ、補習の」

「補習のお礼?」





…え?



「受かったの!?」
思わず窓から身を乗り出した。
「だから礼だって」
「よかったぁ〜…」
体中の力が抜けた。
へなへなとその場に座り込んでしまう。
「おい、大丈夫か」
蒼吾くんが窓から身を乗り出して心配そうに覗き込んだ。
「うん」
えへへって嬉し笑い。
合格したんだ。
そっか。
よかったぁ…。
蒼吾くんは私を見ながら照れたように頭を掻いた。


「…悪かったな、この前。ちょっと、言い過ぎた。だから補習の礼と、その詫び」
無愛想にそう言ってそっぽを向く。
「これ、どうしたの?」
ミスドのドーナツ。
「買ってきた」
よくみると窓の向こう、蒼吾くんは自転車にまたがってる。

「買ってきたって…いつ?」
「今」
「テスト終わってから?」
「そ」

私は手にした袋に視線を落とした。
だから額に汗かいてたんだ。
わざわざ部活の前に駅まで行ってくれたんだ。
別にすぐじゃなくてもよかったのに…。
蒼吾くんの優しさが素直に嬉しかった。





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