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魔法のコトバ*  Season6 気付いた想い-15-
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魔法のコトバ* Season6  気付いた想い-15-

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「それよりも。手、平気なのか?」
「え?」
しばらく考えて。
私は真っ赤になった。
やっぱり蒼吾くんに見られてたんだ。
佐倉くんが指に触れたのも。
その指に私がキスしたのも。
全部。
うわ…っ。
それってかなり痛くて恥ずかしい!


「も、もう血、止まったし、平気っ」
笑顔…引きつってるよ。
恥ずかしくって泣きたい。
「こ、これ、夏木くんも食べてく?」
とりあえず話題を変えてみたり。
「いいよ俺は。部活行くし。佐倉と仲良く食えば?」

その言葉に持ってたミスドの袋を思わず落としそうになった。
それって嫌味?
「じゃあな」
「ちょ、ちょっと…っ、夏木くん…!」
弁解しなきゃ、恥ずかしすぎるよ。
ていうか、絶対誰にも言わないで!


「待ってってば…っ!」


あまりにも動揺していたものだから。
蒼吾くんの背中だけ視線で追いかけて、窓際に置いていた三脚に思い切り足をぶつけた。
ガシャーーーンって。
派手な音と共に三脚に立てかけてあったスケッチブックが、勢いよく転がった。
佐倉くんが愛用しているスケッチブック。
挟んであった大量の絵が床に散ばって色の渦を作る。



「あぁーーーっ!!」


どうしよう。
慌てて散ばった絵を拾い集める。
描き足らなくなった絵をたくさん挟んである佐倉くんのスケッチブック。
彼独特の色彩が床一面に虹の色を作る。

「大丈夫か?」
窓の向こうから声がした。
私の悲鳴に驚いた蒼吾くんが心配そうに覗き込んで。
「あ〜あ…」
とため息を落とした。
美術室の床は絵の具や石膏が落ちてこびりついていて、毎日掃除していてもあまりきれいなものじゃない。
絵、汚れてないといいけど…。
あとでちゃんと佐倉くんに謝らなきゃ。
私は急ぎつつ、丁寧に絵を拾い集めた。




ふと。
伸ばした手が止まる。







なに、これ────。








風景画に混じって無数のモノクロデッサン。
数十枚に渡って描かれた人物画。



「園田?どうした―――」


ドクリと胸が突きあげて、伸ばした手が小さく震えた。


蒼吾くんの声が遥か遠くから聞こえる。
頭がなにも考えられないくらい真っ白になって。
震える手でそのデッサン画を手に取った。






「───凪…ちゃん…?」







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