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魔法のコトバ*  Season7 キミに届け-8-
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魔法のコトバ* Season7  キミに届け-8-

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気がついたら走り出してた。
ただ、がむしゃらに。
もう思考回路は、何が何だかわからないくらいにぐちゃぐちゃで。
いろんな感情が入り混じって、訳わかんなくて。
溢れる涙をぬぐうこともせずに。
そこから逃げ出したくて、ただ走った。


「園田っ!!!!」


グラウンドの端まで届きそうなくらい、低くて大きな声が私を追いかけた。
「待てって!」
苛立ちを隠せない声が、容赦なく私を捕まえる。
「待てって、言ってんだろっ!?」
派手な足音がすぐ側で鼓膜を揺らした瞬間、乱暴に腕をつかまれた。
精一杯走ったのに、部活で毎日鍛え抜かれた足にはかなわなくて。
簡単に腕をすくわれる。
「離して…っ!」
その手を振りほどこうとするけど、そう簡単には離してくれなくて。
涙でぐちゃぐちゃになった顔を見られたくなくて、私は蒼吾くんから顔を背けた。
どんなに振り払っても、あのシーンがフラッシュバックする。
合わさった唇と、佐倉くんの愛おしそうな横顔が、何度も何度も。
佐倉くんが凪ちゃんを好きだって事はわかっていたのに。
忘れようと努力していたのに。もう大丈夫だって思ったのに。
気持ちは、そんなに簡単じゃなかった。

「お願い…もう放っておいて…っ」

お願いだから。
もう気持ちが限界……っ。

「園田っ」
蒼吾くんが呼ぶ声に、耳を塞いで激しく首を振る。
「園田、聞けって…っ」
「嫌…っ。何も、聞きたくない…っ。聞くことなんて、ない…ッ」
「園田ッ」
塞いだ手をきつく捕まれて、耳から外された。
早くこの場所から逃げ出したくて仕方がないのに。
何度、悪あがきをしても蒼吾くんの大きな手に捕まってしまう。
「…もう、放っておいて…ッ」
乱暴にその手を振りほどいて、背を向けた。
手のひらで何度涙を拭いても、止め処なく溢れ出す涙が止まる事はなかった。
溢れて溢れて、もうどうしようもない。

「放っておけるわけねーだろッ!!」

低く強い声色が鼓膜を掠めた瞬間、体が強く引き寄せられた。
誰もいない静寂な空間に、声が木霊する。
吐息で私の前髪が揺れるほどに距離を寄せて、間近で覗き込む真剣な表情に、思わず息を詰めた。


「放っておけるわけ、ねーだろ…っ。
…──園田が…、好きなヤツが、泣いてんのに……っ」


悲鳴のように搾り出された声は、今までに聞いたことのないような切ない声。


一瞬。
蒼吾くんが、泣いてるんじゃないかと思った。


唇が触れそうなくらい近くで紡がれた言葉の意味を、理解する間もなくそのまま引き寄せられて。
気がついたら、蒼吾くんの胸に強く抱きしめられていた。
頭の中が、真っ白になった。


「いーかげん気づけよ…っ」


そう言って。
息がつまりそうなくらいに強く、抱きしめられた。




「───俺、お前が好きだ。もう、ずっと前から…」







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魔法のコトバ*  Season7 comments(2) -
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Comment








はじめまして、沙愛と書いて"さえ"と言います。Season3ぐらいからちょこちょこ覗かせて貰っています。

盛り上がっていますね〜、どきどきです(あ、意地悪で言ってるんではありませんよ)。やっと佐倉君のブラックモードが現れたんで
「うし、やっとリアル恋愛模様じゃん。」などとパソの前で独りごちしてました(でも4人とも好きなんですよ〜それは信じて〜〜)。
ましろの引っ込み思案でとろいけどふわっとしたところとか、蒼吾の荒々しいけどぶっきらぼうな優しいところとか、凪の凛としているのにさばさばと付き合いの良いところとか、佐倉君の王子様みたいに優しいんだけどほんとは心に一途で(ブラックで...(爆))。ホント皆好き。これからが目が離せません。

また来ますね。それでは
from. 沙愛 | 2007/02/17 10:48 |
●○●沙愛さんへ●○●
はじめまして、いらっしゃいませ。
長い間、お付き合いくださっていたようで嬉しいです!
しかも、4人の事をよく理解してくれてる!すごいな〜と感心してしまいました(笑)
それだけじっくり読んでいただけてるですよね。嬉しかったです。ありがとうございます〜。
やっと4人の気持ちが出揃いましたね。長かった(笑)
いろんな意味でここからが折り返し地点です。行く末を楽しみにしていてくださいね♪
from. りくそらた | 2007/02/17 16:30 |
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