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魔法のコトバ*  Season10 気持ちが動く瞬間-10-
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Season10  気持ちが動く瞬間-10-

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「ましろはこれからどうするの? やっぱりまだ、佐倉のことが……好き?」
トクン、と。
その名前に心が揺れる。
気持ちの波はまだ穏やかではないけれど、それでもあのとき、決めた。
佐倉くんの優しさを否定してしまったあの日に。
美術室っていう空間に、好きの気持ちを置いてきた。
いつの日か、あの頃を懐かしんで、笑える日が来るのかな。



「凪ちゃんこそ。蒼吾くんのこと……まだ好きでいるの?」
「なんで同じ質問すんのよ……」

ちょっと怒った顔でこちらを睨んでから、また、優しい笑顔に変わる。



「…だって………」

もう可能性がないことなんてわかりきっているのに。
気持ちがまだ、その事実に追いつかない。
たぶんそれは、凪ちゃんも一緒。




「じゃあ、質問を変える。真面目に考えて」
「…うん?」
「あのとき、蒼吾の気持ち、初めて知ったんでしょ? どう思ったの?」
「……どうって──────」





驚いたよ。
心臓がひっくり返りそうなほど、びっくりしたよ。
蒼吾くんの気持ち、全然気付かなかったから。
好きだって言われて、嬉しくなかったわけじゃない。
キライって言われるよりよほどいい。
でもすぐに。
凪ちゃんの顔が浮んだ。
凪ちゃんのことを思ったら頭が真っ白になって、もうそれ以上、考えられなくなった。
蒼吾くんのことはもう、考えないようにした。



「ねえ、ましろ。一度、考えてみれないかな。蒼吾のこと……」
「…え…?」
「私のことを抜きにして。そんな風に蒼吾のこと、考えたことなかったでしょ?」


私は膝の上のマスクを握りしめた。
蒼吾くんの気持ちは、痛いくらい真っ直ぐだ。
ストレートに気持ちをぶつけてくる。
それが受け止められなくて、ずっとそっぽを向いてた。
蒼吾くんの気持ちを真っ直ぐ見つめることなんて、考えようともしなかった。








「……ねぇ、ましろ。私、ずっと聞いてみたかったことがあるの。怖くて……、今までずっと聞けなかったこと…」



「…なに…?」





「……ましろはあのとき。蒼吾のこと、好きだった?」








「───え…?」




「四年生の春。初めて同じクラスになって、蒼吾の隣の席になったとき。本当は、ましろも蒼吾を好きだったんじゃないの? もしかして、あの事件さえなければ、今でもましろは蒼吾を好きだった?」
「………」
「………ホントはね。ずっとそれを聞きたかったのに、怖くて聞けなかった。
あの頃の私はずるくて臆病だったから。ましろの気持ちを聞くことで、自分の恋が終わっちゃうんじゃないかって、初恋に自分で幕を引いちゃうんじゃないかって。怖くて、聞けなかったの…」


四年生の春。
私のキモチ。
凪ちゃんは気付いていたの?



「返事は今じゃなくていいの。すぐに答えを出さなくていいから。だから…………ゆっくり考えてみて。蒼吾のこと。
どんな答えが出ても私はましろのこと、嫌いになったりしないから」


「…凪、ちゃん……」


「ましろの初恋はいつだったか、どんな気持ちだったのか。考えてみて──────」







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