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全力少年 1
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事の起こりはこうだった   サイド*蒼吾

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どうしてこんな事になってんだ───?


カレンダーは7月。
翌日に学期末テストを控えた日曜日は、久しぶりに部活のない休日。
たまには園田とゆっくり休日を満喫…なんて思ったケド。
真面目な園田サンが、テスト前にデートに応じてくれるワケもなく。
結局。
俺んちで試験勉強しましょ、っていうことになって。
それで───。


「───蒼吾くん…」


オレの腕の中。
丸っこい目をますますまん丸にして、不安げに見上げる。
部屋の畳に、園田の柔らかい髪が広がっていて。
押し倒した拍子に、洗い立てのシャンプーの匂いが鼻をくすぐった。
や。
事故だよ、事故。
(下心がなかったといえば嘘になるけど)
押し倒したのはワザとじゃねぇんだ。

つまり。
事の起こりはこうだ。


オレの部屋には“カノジョ”には見られたくないヤバイものっていうのがあって。
(オレも一応、男だかんな!)
園田が来る前に念入りに確認したつもりが、やっぱり見落としがあって。
それがそこにあるって気付いた時には、園田がそれに気付いた時。
阻止しようとしたオレとのタイミングがぶつかって。
勢いよく、押し倒してしまったというワケだ。
…まあ。
漫画やドラマなんかでよくあるお決まりのパターン。
でも。
オレ的にはめちゃくちゃおいしいシチュエーションってわけで。
いくら“カノジョを大事にする男”としても。
このまま何もナシはありえないだろ?
とりあえずキスぐらいはOK───だよな?
それで園田を解放してやるつもり…だった。


モンダイはその後だ。






園田はキスする時、嫌がらなくなった。
逃げ腰で受身だったのが、わずかだけど積極的にオレを受け入れてくれている───そんな雰囲気を肌で感じられるようにもなった。
この時も、触れるだけのキスを何度か交わして。
理性のブレーキが効かなくなるその前に、園田から離れようとした。
そしたら。
白く細い腕が、オレの方に伸びてきて。
そのまま頬を包まれた。

「…園、田……?」

オレの言葉をそのまま飲み込むみたいにして。
柔らかい唇がオレのそれに重なった。


う…っわ……っ。





想像と期待を煽るほのかに香るシャンプーの匂い。
あまりにも近い距離にクラクラする。
ノースリーブのワンピースから覗くスラリと白い脚がオレを誘う。
たまらず唇を押し付けて、深く探る。
園田は抵抗してこない。
それどころか。
オレの首に腕を絡めて抱きついてくる。
おまけに。
「いいよ…?」
なんて。
可愛らしく首を傾げられた日には、オレ、マジでいっちゃうよ?
ていうか。
どこまで、OK?


和室に不釣合いなパイプベッドが、ギシと音を立てる。
「…蒼吾くん……」
オレを試すように園田が手を伸ばした。
オレの首に手を回して、キス。
艶やかで甘い気がした。
園田が土産に持ってきていたサーティワンの苺のアイス。
甘酸っぱくて、最上級に甘いキス。
もっと味わいたい。
園田がいいって言うんなら、この際全て───。








「ん…がッ!……あ…??」


来るはずの甘い柔らかさと正反対の鈍い痛みが後頭部に走った。
逆さになった視界に映りこんだのは、砂糖菓子のような甘い笑顔。



…なんかじゃなくて。





よく見知った、顔。








「姉貴───?」









…ん、あ…?



「…アンタ…、何やってんのよ…」



一気に現実に引き戻された。
ベッドからずり落ちたオレを見下ろす、姉貴の冷めた視線。
…んだよ。
夢かよ。
っていうか、なんちゅう夢見てんだ、オレ!
夢っていうより願望?
男って虚しい生き物だ。



「……何か用?」


夢ならなおさら、その先も味わっとけばよかった。
邪魔した姉貴が恨めしい。


「ましろちゃん、来てるわよ。上がってもらう?」


そのつもりだったんだケド…。
あんな夢の後で、合わせる顔がないっちゅーか。
意識しない方が、ムリ。


「とりあえず降りるわ」
「その格好で?」
「…あ?」

オレの格好は…っていうと、パンイチ。
つまりパンツ一丁…うわッ!!
その辺に放ったくってあったTシャツと短パンに急いで着替えて、額に浮んだ汗をガッとぬぐう。
7月も半ば。
扇風機しかないオレの部屋はすこぶる暑い。
姉貴が呆れたように溜息をついた。
「もう!来るのわかってるんだから、ちゃんとしなさいよ。ちゃんと!」
「わかってるよ!」
暑いんだからしょうがねぇだろッ!
ていうか。
いまどき、扇風機しかない部屋ってどうなんだよ?


「私、用があってしばらく留守にするんだけど…」
「んだよ…」
その“信用ゼロ”みたいな目は。


「ましろちゃん、押し倒したりしたら…承知しないわよ?」


あわよくば、もうワンステップぐらい越えましょか?
ぐらいなオレの考えを見事に打ち砕く姉貴のひと言。
さすが。
何でもお見通しってワケ、ね。
ハイ。
自粛しマスよ。





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全力少年(魔法のコトバ* 続編) comments(4) -
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Comment








 蒼吾クンとましろチャンの新作きましたねぇ(●>∀<●)
 めっちゃ楽しみやったんですよー☆
 2人はいつになったらステップアップするんでしょうか。
 まぁ2人はそのままでもいいかもですけど(^^)
from. ゆい | 2008/07/25 16:00 |
*ゆいさんへ*
ふふ。新作です。
ずっと大事にしまっておいたおはなしをやっと書き始めることができました。
まほコト連載が終わって、ちょうど一年経つんですよね。早いなぁ。
楽しみにしていただいていたようで、とても嬉しいです!

続編で少しはふたりの関係がステップアップするんでしょうか(笑)?
また楽しみにしていてくださいね。
from. りくそらた | 2008/07/26 20:24 |
わ〜い。
また、蒼吾クンとましろちゃんにあえるなんて>>>
ホント感激です。(*^v^*)ルン♪

忙しくて、なかなか遊びにこれないかもしれませんが、
楽しみにしていますね。
from. かおとも | 2008/07/29 21:53 |
*かおともさんへ*
久しぶりのましろと蒼吾です。
本編からは実に一年ぶり!
期待を裏切らないような展開にしたいです(苦笑)
またお暇な時にでも覗いてみてくださいね♪
from. りくそらた | 2008/07/31 10:42 |
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