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全力少年 17
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ふたり模様3    サイド*蒼吾*ましろ 

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お互い、引き寄せられるようにどちらともなく目を閉じて、唇を合わせた。
「…風邪、うつしちまったら、ゴメンな…」
軽くついばむように何度も触れて、キス。
足りねぇ。
最初は、軽く交わすだけのつもりだったのに、その柔らかさに触れたら止まらなくなった。
もっと触れて、もっと、もっと園田を知りたくなる。



舌でそっと唇をなぞったら、果実みたいに甘かった。
「なんか、甘いんだけど…」
「下で、お姉さんがオレンジティーいれてくれたから……」
しばらくそれを味わうように、何度も舌で唇をなぞった後、こじ開けた。
瞬間、オレのTシャツを掴んだ小さな手が、ほんの少しの抵抗を見せた。
けれど、押し返してきたりはしなかった。
すがるようにしがみついて、キスに応えてくれる。
ぎこちなくて、たどたどしくて。
だけど懸命で。
それがあまりに可愛くて、心臓がひっくり返ったように脈打った。
気持ちがどんどん加速する。
こんなことしたいって思うのは、園田だから。
園田でなきゃ、意味がねぇから。
そういう気持ちって、ちゃんと伝わってる───?




深く、貪るように、オレは夢中でキスを繰り返した。
肩を強く抱いて、小さな身体を抱きこんで。
何度も、何度も、角度を変えて唇を合わせていく。
さすがに長すぎたのか、園田の唇から苦しそうな声が零れたことで、オレはようやく我に返った。




「ゴメン…平気?」
「…ん……」

潤んだ瞳がオレを見上げてくる。
濡れた唇で浅く短い息を何度も繰り返すその仕草が、無茶苦茶つやめいて、ますますオレをドキドキさせた。
恥ずかしさのあまりか、園田が顔を隠すみたいにして、オレの肩に顔を埋めた。
耳に掛かる熱い吐息に、全身が粟立つ。
至近距離に見える白い首筋が、オレを誘う。
肩に掛かる栗色の髪をそっとかきわけて、その白い首筋に唇を押し付けた。
その瞬間。
「んッ…」
と押し殺した声が漏れて、園田が体を強張らせた。
きゅっと眉根が寄る。
昨日の泣き顔を思い出して、躊躇。
思わず手が止まる。











「…怖い?」



耳元で囁いたら。
園田がオレの肩に頭を乗せたまま、静かに首を横に振った。



「…怖くないよ…。だけど……」



なに?





「……恥ずかしすぎて……顔、上げらんない…」








だって、園田サン。
オレら、そういうこと、してるワケだから。
夕方つっても、真夏の7時。
カーテン越しに漏れる光はまだ明るさを帯びて。
園田の恥ずかしそうな顔も、夕日に透ける肌の色も。
全部、わかる。


園田の身体をそっと引き離す。
俯いた彼女の体に手を伸ばして、シャツのボタンに手を掛けた。
情けねぇけど、少し、手が震えた。
シャツのボタンを3つ外す。
それだだけで、充分だった。







「……あまり…見ないで…」


茜に染まるオレの部屋で、白い胸元がぼんやりと浮かび上がる。
オレは思わず、息を詰めた。
呼吸するのも忘れて、見とれてしまう。












「…小さいから…やなの…」






「別にいいよ。そんなの」




サイズが問題じゃない。
求めるのは質感と柔らかさ。








「牛乳、飲め。牛乳」


「…牛乳で効果あるの?」






「さあ?」



触れば大きくなるつーけど。
今、このタイミングで言うのは、強要してるように聞こえる。
ていうか。




「何でオレら、牛乳の話なんてしてんだろーな?」



こんな場面で。
ムードも何もねぇ。
ふたりで顔を見合わせて笑う。
あー。
いつもの園田だ。
砂糖菓子みたいに甘くてまあるい笑顔。
癒されて、心が和む。











「…直に……触ってみてもい?」





園田の顔が見る見るうちに真っ赤になった。
真っ白だった首筋や胸の辺りまで、羞恥で赤く染まる。
シャツを掴んだ指先が少し震えて、波打つ鼓動が伝わってくる。
緊張が、伝染する。













「……少し…なら……いいよ…」





真っ赤なままで小さく頷いた。




シャツの合わせに手を伸ばす。
指が素肌に触れた瞬間、園田の身体が跳ねた。
ギューッと固く目を閉じて、緊張に耐える。
それがオレにまで伝染して、鼓動が加速した。
気持ちが高ぶって、試合なんかよりもうんと緊張する。
心臓がバクバクゆってんの、園田に聞こえそうだ。
背中のホックに手を掛けて軽く力を入れたら、プツンと小さな音を立てて、それは意味をなくした。
思ったよりも簡単に外れて、拍子抜けしてしまう。
ますます園田の身体が強張った。
ガッチガチ。
ロボットみてぇ。






「…ひゃあ…ッ!」


あまりに緊張してるもんだから、つい。悪戯心に魔がさした。
脇腹をくすぐってやると、身をよじって声を上げる。





「…ちょっ、やだ…!そーごクン…ッ! 」



笑ってんのか、怒ってんのか分からない。
涙声、笑い顔。
おもしれー。
「だって園田、ガチガチじゃん。ほぐしてやろうかと思って」
とか言っといて。
脇とか腹とか、どさくさに紛れて触ってみたり。
うあ。
園田の肌って、赤ん坊みたいに柔らかくって気持ちいーー。

中途半端に脱げたシャツと、腕に引っかかった状態のブラが無茶苦茶やらしくって。
オレはすぐに限界に達した。
そのまま腰から抱き寄せて、唇にキス。
柔らかく唇を重ねて探ったら、次第に園田の力が抜けていって、くたくたと身体を預けてくる。
ああもう。
この素直さがメチャクチャ可愛くて愛おしい。
下着を上に押しやって、白い膨らみに手を伸ばす。
掌で全部を包み込むようにそっとそっと力を込める。
シャツを掴んだ小さな手に力が入る。
眉根がきゅっと寄る。


うあ…。


あまりに柔らかいんでびっくりした。
掌にしっくり納まって吸い付く感じの極上の質感。
小さいからやだ?
そんなことねぇよ。
オレの大きな掌にちょうどいいサイズ。
服越しに触れたそれとは違う、別格の柔らかさにクラクラした。







うっ、わー。


中途半端が一番ヤバイっつーのが、分かる気がする。
キスだけでお預け喰らったままの方が、まだ我慢できる。












なあ、園田。


そろそろオレら、もうワンステップぐらい越えてもいい?
















蒼吾くんの手が胸に触れた。
大きな手のひら全部で包み込むみたいに、優しくそっと。
あまりに優しいからびっくりした。
強引で荒々しい、昨日の触れ方とは全然違う。
蒼吾くんの手はおっきくて、私の小さな胸はすっぽり覆われてしまう。
ちょっと悲しい。
別にいいよって言ってくれたけれど、やっぱり小さいよりは大きいほうがいいよね?
ちらり。
蒼吾くんを見上げたら、じっとこっちを窺ってたから驚いた。
視線が合わさって、鼓動が跳ねる。






「…まだ怖い?」



胸に手を触れたまま、蒼吾くんが聞いてきた。







「…ううん…平気……」



じっと見つめられることに絶えかねて顔を伏せたら、首元に蒼吾くんの唇を感じた。
何度も何度も、キスを繰り返しながら下へと降りてくる。
唇から伝わってくる蒼吾くんの熱を感じて、身体の芯が熱くなる。
怖いっていうよりも、ドキドキする。
ドキドキしすぎて、心臓…壊れそう。







「園田。…嫌な時は言って。そんなことで、嫌いになったりしねーから」



胸を包み込んだ掌にやんわりと力が入る。
私が怖がらないように優しくゆっくりと触れてくる。
全部が全部、優しいから涙が出そうになった。
寄せた胸からはトクトクトクトクと私と同じ速さの鼓動。
───なんだ。
蒼吾くんも緊張してるんだ。



大きな掌が、私の小さな胸を何度か往復した後。
胸元に降りてきた唇に、強く吸われた。
びっくりして、思わず身体を離したら。
そこから顔を上げた蒼吾くんと目が合った。





「…ゴメン。つい……」


顔を上げた蒼吾くんが苦笑い。
左胸には、赤い痕。
う…っわ……。
こういうの、キスマークっていうんだよね?
蒼吾くんを主張する赤い痕が、鮮やかに胸に咲く。
今さらだけど。
そういうことしてたんだって、恥ずかしくなる。
真っ赤な顔で俯いたら、頬を両手で包まれて顔を上げられた。
そのままキスで、再び唇が塞がれた。



「…オレ以外にそういう顔、見せるのナシな?」


「…そういう顔?」


「キスした後のトロンと甘えたような顔。頼むから、オレ以外に、見せないでくれ」





「…しないよ…そんなの……。するわけないじゃない。蒼吾くん以外の人とキスなんて。
…蒼吾くんでなきゃ、嫌だよ? 蒼吾くん以外、考えられない───」



そう告げたら。
照れたように笑った蒼吾くんに抱きしめられた。
だって、ほんとだよ?








「…今日はおしまい。これ以上はオレ、ブレーキ効かなくなる自信あるから」


そう言って、はだけた胸元を直してくれる。
不器用な手元がたどたどしい。
「それに…そろそろ、タイムリミット。園田が長くいるからさ、もうそろそろ姉貴が上がってきそう。こんなところ見られたら、オレ、絶対殺される……」
大きな身体を震わせて、肩をすくめる蒼吾くんを見たらおかしくって。
つい、笑みが零れた。
私が緊張で押しつぶされないように、気まずくならないように。
気を使ってくれる優しさ。
弱いところも臆病なところも、全部受け止めてくれる心の広さ。
そういうところも含めて。
蒼吾くんの全部が大好き。


背中に伸ばした手がもぞもぞ、悪戦苦闘。
「これ。外すのは簡単なくせに、止めるの難しっ」
「い、いいよ…っ。自分でできるから…」
恥ずかしくって、後ろを向いた。
じっと視線を感じて、振り向いたら蒼吾くんと視線が合わさる。



「…何?」



「なんか…そういう格好の方が、ヤラシ───ってぇ!」



思い切り突き飛ばしたら、蒼吾くんが派手にベッドから転がった。
蒼吾くんって……意外にえっちだ。








「園田」
「うん?」
「夏休み、ふたりでどっか行かね?」
どこか?
「お祭り、行く約束してるよね?」
住吉神社の縁日。
私、ずっと楽しみにしてるんだよ?
浴衣だって新しいの、買ったの。
「…祭りもだけど…。朝から出かけてさ、海とか山とか。そういうところ」
蒼吾くんが笑う。
「いいよ」
ふたりでいられるのならどこだって。
初めての夏はたくさん思い出作りたい。








「いいよって……誘ってる意味、わかってゆってる?」




誘ってる意味って───?
わからず首を傾げたら、手を引かれてそのまま抱きしめられた。
私の髪に顔を埋めた蒼吾くんが、耳元で囁く。












「───その日…。遅くなっても平気?」



顔を上げようとしたら、きつく腕の中に閉じ込められた。
身動きが取れず、苦しい。



「…本当は泊まりで、って言いたいところだけど───そういうの、ダメだろ? 園田んちは」
髪をクシャクシャにしながらかき抱くその手は、微かに震えながら、その存在を主張する。
わざとだ。
強く抱きしめて、私の顔を見ようとしないのは。
なんとなく。
蒼吾くんがどういう顔をしてるのか、想像がついた。
胸の奥がきゅってなる。
蒼吾くんの緊張が私にも伝染して、心臓が壊れそうなくらいドキドキ跳ねた。
切ない声が、気持ちを加速させてく。








「その日、一日。オレにちょうだい。全部、空けといて───」



耳元で囁いて、体が放された。
その気にさせておいて、キスもなし。
ずるい。
抱きしめてくれるだけじゃ物足りないって、思ってしまう。








「…うん…。わかった…」


素直に頷いた私に蒼吾くんが一瞬、目を真ん丸く見開いた後、嬉しそうに笑った。
はにかむように照れた笑顔。
胸の奥が、きゅっと狭くなった。
こういう苦しさや切なさは、片思いの時だけかと思ってたけれど、そうじゃない。
ふたりで一緒だからこそ、嬉しさも切なさも2倍。
ドキドキするのも2倍感じる。







「やっぱ今日は、送ってく」



蒼吾くんが私の手を握る。
掌から伝わる体温は優しくってあったかくて、私をいつも安心させてくれる。
蒼吾くんと一緒にいるだけで私、いつも強くなれるんだよ。




そういうキモチ、ちゃんと蒼吾くんに伝わりますように。










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