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魔法のコトバ*  Season1 再会-2-
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魔法のコトバ* Season1 再会-2-

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目が覚めたら、見知らぬ天井が見えた。
白い天井に、ベッドを囲むようにしてあるカーテンレール。
片側だけカーテンが引かれた空間の中で、私はぼんやりと目を開けた。
最後に見えたのは、ざわめくクラスメイト達の顔と、年季の入った教室の床。
新垣先生が私を呼ぶ声を、鼓膜の奥に微かに記憶する。
………また、やってしまったんだ……。
私は頭を抱えた。



緊張すると極度の腹痛や貧血が私を襲う。
あまりの痛さに立ってられなくなるほどの痛み。
神経性のそれは、今に始まったことじゃない。
これじゃあますます、明日から学校に行きにくい。
ほんと、泣きたい……。




「──────気がついた?」
カーテンの向こうから声がして、少し遠慮がちにカーテンが開いた。
そこから顔を覗かせたのは、セーラー服を着たキレイな女の子。
黒く艶やかなストレートの髪がサラリと揺れた。
「貧血気味なんだって? 大丈夫?」
心配そうな顔で私を覗き込む。
すごく綺麗な顔立ちでスラリとした体型はモデルさんみたい。
思わずぽかんと口を開けて、見とれちゃった。



「ね?」
「……え?」
「ましろ、でしょう?」
「…はい、そうですけど……」


思わず敬語になってしまう。
白いスカーフだから彼女も1年生。同じ学年のはずなのに。


「覚えてない?」
「…え…?」
質問の意味が分からなくて、思わず間抜けな声で聞き返してしまった。
「昔から変わってないんだね。気の弱いところとか、緊張しすぎると貧血起して倒れちゃうところとか」
そう言ってクスリと笑う。
「昔からって………」







あ。



ふと。
よぎった記憶のカケラ。
真っ黒な黒髪と、意思の強い凛とした瞳。
もしかして──────。




「私、凪よ」



そう言って、ずいっと私に顔を近づけた。
うわ。
睫毛、長いなぁ…と意味もなく、ドキドキしてしまう。
女の子の顔をこんなに間近に見るのは、初めてかもしれない。
もちろん男の子だってないけれど…。






「日下部 凪(クサカベ ナギ)。覚えてない?」


私は目を白黒させた。
「…もしかして………あの、凪ちゃん……?」
私はおそるおそる聞いた。




「そうよ。どの凪ちゃんかは知らないけど、桜塚小学校5年2組だった日下部凪よ」





思い出した。
転校前の学校で、すごく仲の良かった女の子。
小学生なのにやけに大人びていて、綺麗だった女の子。
勉強も運動もできて、正義感の強い優等生。
確かその頃も学級委員とか副委員とかよくやってたっけ。
くせっ毛で色素の薄い私の髪とは正反対の、黒くてツヤツヤしたサラサラの長い髪。
黒目がちな大きな瞳に、スッと通った鼻筋。
ふっくらした唇は熟れた果実みたいで、お人形みたいに綺麗な女の子。
彼女の全てが憧れだった。
それが日下部凪ちゃん。

4年生のクラス替えで初めて同じクラスになって。
ひょんなきっかけで仲良くなって、転校するまでずっと一緒だった。
サンフランシスコに行ってもしばらくは手紙のやり取りをしていたけれど。
小学生にとって、海を越えた向こうの国なんて、あまりにも遠い距離だったから。
一度も会うこともないまま、いつの間にか文通も途絶えてしまって……それっきり。
まさかこんなところで再会するなんて。


「私、委員長だから、昨日先生から転入生が来るって聞いてたの。名前を聞いてまさかとは思ったけど…。
ましろ、全然変わってないんだもん。安心した」
大人びた笑顔は相変わらず綺麗で、意味もなくドキドキした。


「凪ちゃんこそ、…変わらないね」
「さっきまで私だって気付かなかったくせに?」
「…だって凪ちゃん、すごくきれいになってたから…」
「成長期の4年は大きいよ〜」
「ほんと。そうだね」

私は笑った。
こんな風に昔の友達と再会して話せるなんて、思いもしなかった。
ずんと重かった私の心が、少しずつ晴れていく。
凪ちゃんと一緒なら、明日からの高校生活も頑張れるかもしれない。
ちょっとだけ、学校が楽しみになった。


なのに。

そんな考えを見事に打ち砕く言葉が。
凪ちゃんの口から発せられるなんて。



「アイツも同じクラスだよ」



一瞬。
誰の事を言ってるのか想像がつかなかった。
後から思えば凪ちゃんが『アイツ』って呼ぶのなんて。
ひとりしかいないのに。







「蒼吾(そうご)。
同じクラスだったから、ましろも覚えてるでしょう?」











一瞬。
目の前が真っ白になって、氷ついたように動けなくなった。
覚えてるもなにも、忘れるわけがない。
むしろ。
忘れたいのに、忘れられない苦い記憶。
ちくちくと、横腹が痛む。

この持病だって、あの人のせいだもん。










夏木 蒼吾。
私がいじめられるきっかけを作った、張本人。






私の、トラウマ。








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魔法のコトバ*  Season1 comments(2) -
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Comment








こんばんは!りくさん。
URA*BANAの方へ先に行ってしまって「とわの彼方に」に、はまっている如月です^^
本家のまほことを読まなければっ!とやっとやってきました。
ゆっくり大事に読ませてくださいませね。
最初からうぅ・・・すんごくイイ感じです。。。
では、また^^
from. 如月 凛 | 2008/11/24 22:54 |
*如月 凛さんへ*
はじめまして。いらっしゃいませ!

先に「とわかな」を読んでいただいたそうで。ありがとうございます。
あちらの小説も早く続きを…と思いながら、多忙の毎日でなかなか更新できていません(汗)
「とわかな」の合間にでも「まほコト」も読んでもらえると嬉しいです。
from. りくそらた | 2008/11/25 09:35 |
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