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魔法のコトバ*  Season1 再会-6-
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魔法のコトバ* Season1 再会-6-

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そうこうしてるうちに家に着いた。
結構な距離を私を乗せて走ってきたのに息ひとつ切れてない。
私だったらきっと、ヒイヒイいってる。
男の子ってすごい。



「ん」
自転車から降りた蒼吾くんが、ぶっきら棒に鞄を差し出した。
人質になってた鞄。
よかった。
これがないとまた、学校に行けなくなっちゃうところだった。
だって、凪ちゃんの携帯番号が書かれた大事なメモ用紙が入ってるんだもん。
「………ありがとう…」
私は小さな声で言った。
過去のトラウマのせいで、目を見て顔を上げて、まともに蒼吾くんと向き合うことはできない。
でもお礼はちゃんと言わないと。
「ああ」
無愛想に頷くと、蒼吾くんはまた自転車にまたがってペダルに足をかけた。
蒼吾くんの家はまだこの先、ずっと向こうにある。




「じゃあな」
「……うん…」


少しだけ彼の背中を見送って、家に入ろうと踵を返した時。
「──────園田」
突然、大きな声に呼び止められて、びくりと身を竦めた。
振り返ると蒼吾くんが自転車を止めて、地面に足をついたまま、こっちをじっと見てた。
視線が合わさって、意味もなく心臓が飛び跳ねる。






「………なに?」

私、なにを言われるの?
平然を装いながらも内心は、すごくドキドキしてた。







「明日──────」

「………うん」



「明日からもちゃんと学校、来いよ!」


「え?」


「お前が倒れたことなんて、誰も変に思ってないから。むしろ、みんな心配してっから。だから……気にせず学校、来いよ!」










想像していたものとは随分違う優しい言葉に、びっくりした。
私が不安に思ってること、どうして蒼吾くんに伝わったのかな。
そんなにわかりやすく顔に出てた?

不安を視線で投げ返してしまった私に対して、蒼吾くんが優しく笑いかけた。


「………そういうことだから。じゃあな。また明日…」

明日会うことが当たり前のような挨拶で手を上げて、蒼吾くんを乗せた藍色の自転車は住宅街の中へ消えて行った。
片手で乗るなんて、器用だな。
私ならすぐ転んじゃいそうなのに。
そんなどうでもいいことをを考えながら、私は不覚にも最後まで蒼吾くんを見送ってしまった。




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