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魔法のコトバ*  Season1 再会-7-
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魔法のコトバ* Season1 再会-7-

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「──────あれ…? うそ、ない……」

それに気づいたのは、夕刻を回って随分時間が経ってからのことだった。
早めに夕飯を食べてお風呂も済ませて、ゆっくり凪ちゃんに電話をしようと思ってたのに。
受話器を手にした時、それがないことに気付いた。

小さな水色のメモ用紙。
凪ちゃんが携帯の番号とメアドを書いてくれたすごく大事なもの。
確か鞄に入れたと思ったのに。
中身を全部ひっくり返しても、制服のポケットを裏返しても、目当てのものは見つからなかった。



「うそ…。どうしよう………」

ないと気付いてから1時間は探してる。
これだけ探してもみつからないってことは、きっとどこかに落としたんだ。
心当たりがない。
思い出せない。
いつ、どこで落としたの?
「…電話するって、約束したのに」
落としたのは学校? それとも帰り道?
どっちにしても今から探しに行くのは無理だ。
約束したから、このまま電話しないわけにはいかない。
私の電話番号を教える時間がなかったから、凪ちゃんの方からかかってくる可能性はないし。
このままかけられないと、また明日もひとりで学校に行かないといけなくなっちゃう。
どうしよう。
私は受話器を持ったまま、意味もなく部屋をウロウロしてしまう。


そうだ。
自宅の電話番号なら…。
私は重い腰を上げて、クローゼットの中から古ぼけたダンボール箱を引っ張り出した。
随分日に焼けて古くなった箱。
日本を離れる前に荷造りをしたまま、それっきり。
小学校時代の思い出を封印したそれは、もう二度と、開ける事はないって思ったのに…。

「…あった」
中から取り出したのは緑色の冊子。
端をホッチキスで留めただけの簡単なもの。
表紙に『桜塚小学校5年生 生徒名簿』って書いてある。
5年2組の欄から凪ちゃんの電話番号を抜き出して、とりあえず電話をかけた。
明日から駅で待ち合わせて、一緒に行く約束をした。
よかった。
ホッと大きなため息を漏らすと、枕にうつ伏せてベッドに転がった。

ふと。
半開きになったダンボールからはみ出した写真が見えた。
それを横目でぼんやりと眺める。
ずっと封印していた記憶。
思い出したくないから、日本を離れる時に荷物と一緒に封印した。
私は体を起してそっと写真を手に取った。


懐かしい。


写真の中に見慣れた顔を見つける。

「凪ちゃんに私に、佐倉くん」


そして。
蒼吾くん。
写真の中の蒼吾くんは、そっぽを向いていた。



4年ぶりに会った蒼吾くんは、随分と逞しくなっていてちょっとびっくりした。
まさかまた再会するなんて。
想像もしてなかった。
もう二度と話さないと決めた小学4年生の夏。
目を瞑るとあの日の光景がフラッシュバックして、いろんな思い出があふれ出してくる。
今さら思い出してしまうのは、蒼吾くんに会ったからだ。



「…会いたくなかったのに……」



胸が痛い。
記憶が疼く。



ぼんやりと写真を眺めてたら何だか眠くなってきて、いつの間にかそのままベッドに埋もれるようにして深い眠りに入ってしまった。



手にあの時の写真を握りしめたまま。





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魔法のコトバ*  Season1 comments(4) -
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Comment








ここのサイト、どこから読んでいいのかわかりません。
おもしろそうなのに残念です。
from. あっと | 2008/02/18 22:18 |
*あっとさんへ*
お返事おそくなって申し訳ありません。

えっと、分かりにくい編成でゴメンナサイ。
ブログなので、記事(小説)自体は新しい記事が上になっています。
目次ページを作っていますので、そこから読みたい話を順番クリックして読んでもらえると助かります。
また体調が落ち着いたら、分かりやすいように調節してみますね。ご報告ありがとうございました。
from. りくそらた | 2008/03/01 21:18 |
ブログ村から飛んできましたー。
ほんと、少女マンガを読んでるようで、どんどんページが進みます。

誰が誰を好きになるかはわかるけど、どんな風に惹かれていくのか、楽しみです。

まだ読みたいけど、出かけなきゃなので、今日はここで!
また読みに来ますね!
from. 藤城ニッチ | 2008/08/07 10:12 |
*藤城ニッチ さんへ*
はじめまして!いらっしゃいませ。

少女マンガのような展開が大好きで、そういうニュアンスで書かせてもらってます。
王道の展開、盛りだくさんですよ(笑)
また続きを楽しんでもらえたら嬉しいです!

外は相変わらずの猛暑なので、気をつけていってらっしゃいませ〜。
from. りくそらた | 2008/08/07 10:49 |
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