http://miimama.jugem.jp/

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- - -
魔法のコトバ*  Season1 再会-3-
*******************************************

魔法のコトバ* Season1 再会-3-

*******************************************


「ただいま……」
玄関の扉を閉めて、靴を脱いでよろよろと自分の部屋へと続く階段を上った。
「──────ましろ?」
その音を聞いて、ママがリビングから顔を出した。
「どうだった? 迷わず帰れたの?」
「うん。途中まで凪ちゃんと一緒だったから」
「……凪ちゃん? 凪ちゃんって──────あの凪ちゃん?」
ママってば、私と同じようなことを聞いてるよ。
さすが親子、血は争えない。
「そう。同じ学校だったのね、よかった」
しっかり者の凪ちゃんが一緒なら、ママも安心なのかな。
「お昼は? 凪ちゃんと食べてきたの?」
「ううん」
誘われたけれど、そんな気分にはなれなかった。
「少し疲れたから、部屋で休むね。また後で食べるから」
心配かけないように笑って見せて、そのまま逃げるように部屋に上がった。
部屋のドアを固く閉じて。
そのまま倒れこむように、ベッドにうつぶせに転がった。





彼と。
夏木 蒼吾(ナツキ ソウゴ)くんと、同じ学校。
しかも同じクラスだって、凪ちゃんは言ってた。
じゃあ。
HRで私が紹介された時、あの教室の中にいたんだ。
私がまた、お腹が痛くて座り込んだのを彼は、見てた……。







「ひゃあああーーーー!!!」



枕に顔を押し付けて、声にならない声を上げた。
最悪だ。
蒼吾くんに全部、見られてたなんて。






私は昔から、人の輪の中に入っていくのが苦手だった。
たくさん人がいると、私は浮いちゃうから。
緊張してあまりうまくしゃべれなくて、何を言ってるのか分からないぐらいにテンパっちゃって、ダメなんだもん。
一緒にいてもおもしろくないから。
つまんないから、友達もあまりできない。
決してひとりが好きなわけじゃないけれど、自分から一歩を踏み出す勇気がなかなかでない。
そんな私の唯一の友達が、凪ちゃんだった。
浅く短く。
その場だけの友達ならたくさんいたけど、長く深く付き合ってくれた友達は凪ちゃんだけだった。
昔と変わらず気さくで優しかったな。
凪ちゃんがいるから高校でもやっていけるかもって、希望の光が見えたのに………。


顔を上げると、まだ片付かないダンボールの山が視界に飛び込んだ。
その中でもひと際古いダンボールが、隅に封印するように置いてある。
海外に引越しすることが決まって荷造りしたまま、ずっと開けることなかったダンボール箱。
ぐるぐる巻きにされたガムテープが、4年の歳月を経て朽ちはじめていた。
あの中には、小学校時代の思い出が詰まってる。
私はそれを見ないように、そのままクローゼットの奥深く追いやった。
もう、思い出したくない。
私は泣き寝入りするかのように、ベッドにうつ伏した。






NEXT→

魔法のコトバ*  Season1 comments(0) -
スポンサーサイト
- - -
Comment








<< NEW | TOP | OLD>>