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魔法のコトバ*  Season2 初恋-2-
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魔法のコトバ* Season2 初恋-2-

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それから。
あの男の子が隣のクラスだって知ったのは、春の終わりの進級間際。
3年生が終わる少し前だった。

私の通ってた桜塚小学校は、必ず年度はじめと終わりにクラスマッチがある。
クラスの親睦を深めましょうってやつ。
そういうのが苦手な私は、毎年それが苦痛で仕方なかった。
全員参加型クラスマッチで、運動神経の悪い私がみんなの足を引っ張るのが何よりも嫌だった。


3年生最後のクラスマッチは野球。
リトルリーグ方式の6回。
なんで野球なんだろう。
サッカーじゃなくて野球だよ、野球。
学年主任の先生が大の高校野球ファンで。
「年の最後の締めは野球だ!!」なんて。
熱血してたみたい。
運動神経がいいとはいえない私は、もちろん出番は少なくて。
クラスマッチのほとんどをベンチで応援してた。



うちのクラス3年4組は順調に決勝まで駒を進めていって。
最後の対戦相手は隣のクラス3組。
6回の裏で先攻2−0。
2アウト1,3塁だったけど、あと1回を押さえればゲームセットでうちのクラスはもうすでに優勝ムードで盛り上がってたところだった。


それを覆した隣のクラスの男の子。
逆転2ランホームラン。
すっかり優勝ムードで、隣のクラスも諦めモードだったのに、
最後まで諦めなかった彼。
カーン。
って。
バットに当たる金属音と共に打球がぐんぐん伸びていって。
青い空に消えた。


今でもその時の光景は目に焼きついて離れない。


逆境に強くどんな時でも諦めない。
彼はそんな男の子だった。


ホームに帰ってきて隣のクラスのみんなが歓喜に駆け寄る中。
初めて私はその男の子があの日の男の子だって認識した。
よくやったなって、頭をくしゃくしゃにされながら嬉しそうに笑う顔。
太陽みたいな笑顔が焼きついて離れない。
それが隣のクラスの夏木蒼吾くんだって、初めて知った。




逆転さよならホームランでクラスに優勝をもたらした彼は。
一躍有名人になった。
女の子たちは「3組の蒼吾くん」って。
みんな名前で呼んでいて。
同じクラスの女の子達は、彼とすごく仲が良くて。
私もあの輪の中に入れたらいいのに、って。
いつも教室を通るたびに横目で眺めてたっけ。
引っ込み思案な私には、隣のクラスの男の子なんて遥か遠くの存在で。
とてもじゃないけど自分から声を掛けるのなんて無理だった。
もちろん。
蒼吾くんもあの日の私のことなんて、覚えてるはずもなく。
接点のないまま3年生は過ぎていった。


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