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魔法のコトバ*  Season3 キス-1-
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魔法のコトバ* Season3 キス-1-

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小学校世代っていうのは、ちょっとしたことでも面白おかしくしたがる時期で。
あの朝の出来事は、あっという間に学校に広まった。
当時の蒼吾くんはすごく存在感のある男の子で。
彼の言葉の影響力は絶大だった。


席替えの結果。
私は窓際の前から4番目、蒼吾くんは廊下側の一番後ろの席になった。
昨日までの私なら席が離れてがっかりしてたんだろうけど、今朝の出来事の後でそれはありえない。


「うそ〜!蒼吾くんの隣!?やった〜!!」
嬉しそうな声が教室に響いた。
甲高い耳障りな声。
顔を上げると髪をふたつに結った女の子、水野さんの嬉しそうな顔が見えた。
吊りあがった細い目がこれでもかってなぐらい、目じりが下がってる。
去年のクラスマッチ以来、人気急上昇中の蒼吾くんの隣の席を狙っている女の子は少なくなかった。
今回の席替えで水野さんが隣の席をGETしたみたい。
昨日の今日だから、何か細工をしたんじゃないかって思ってしまう。
偶然にしては出来すぎ。
「宿題、見せてあげる。いつでも言ってね!」
「別にいいよ」
「え〜〜。どうせ毎日やってこないんでしょ?」
水野さんは嬉しそうに運んできた自分の机を蒼吾くんの机と並べて座った。
チラリと私を見て勝ち誇ったような笑みを浮かべる。


“蒼吾くんの隣”。
もうそんな事はどうでもよかった。
席替えの結果よりも、今朝の蒼吾くんの言葉がショックでしょうがない。

私は宿題を見せてもらうだけの都合のいい存在で。
髪だってくるくるで、マシュマロお化けみたいで。
友達が少なくてかわいそうだから。
ただ単に隣の席だったから仲良くしてくれてた。
隣の席っていう以外、私と彼を結ぶ共通点が見つからない。
水野さんが言っていた事は、嘘じゃなかった。



その日の授業はずっと上の空で、何をしたのか、給食で何を食べたのかさえ思い出せない。
早く帰りたい。
みんなの視線から、蒼吾くんがいる教室という空間から早く抜け出したい。
ずっとそればかり考えてた。
彼は私よりもずっと後ろの席で。
振り返らなければ顔を合わすことも視界に入ることもない。
それだけが救いだった。


終わりの会が終わって。
さよならの挨拶をしたのと同時に、私は鞄をかけた。
終わりの会の間に荷物を詰めて、さよならをしたのと同時に教室を出る。
普段何をしてもとろくさい私にしては敏速な行動。
「じゃあね〜」
「バイバイ〜」
クラスメイトの声が行きかう中、私は早足に廊下に飛び出した。
今朝の事件のせいで、一日中みんなに見られてた。
ずっと視線を感じてた。
蒼吾くんと何かあるんじゃないかと期待と好奇心の入り混じった目で、クラスメイト達の視線がふたりを追ってた。
でも。
彼から私に話しかけることはなくて。
もちろん私から話しかけることなんてありえなくて。
何もないまま1日を終える終了のチャイムが鳴って。
そのまま私は教室を飛び出した。




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魔法のコトバ*  Season3 comments(1) -
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Comment








-+-はづきゆみ-+-
喜んでいただけてるみたいでよかった。水野ちゃんやばいよね(笑)こんちくしょーとか思いながら書いた(笑)共感してもらえて嬉しい♪
週末は運動会で更新ができそうにないので、それまでに頑張ってUPしておいたよ。その期間、イラスト楽しみにしとるぞよ(笑)よろしくどうぞ。
from. りくそらた | 2006/10/13 10:18 |
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