http://miimama.jugem.jp/

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- - -
魔法のコトバ*  Season3 キス-3-
*******************************************

魔法のコトバ* Season3 キス-3-

*******************************************


それから。
彼とは、ほとんど話すことがなくなった。
『隣の席』という共通点がなくなって、ふたりを結ぶ接点は何もなくて。
お互い避けるように、平凡な毎日が過ぎていった。

あの日以来。
蒼吾くんはきちんと宿題をやってくるようになった。
私はもちろんの事。
隣の水野さんや他のクラスメートに見せてもらうこともなくて。
水野さんはその事でかなり文句を言ったりしてたけど。
「宿題は自分でやることに意義があるんだ。それが間違えだらけの解答でもだ。園田と離してよかったのかもな」
先生がそう言っていたことに納得してたみたい。


蒼吾くんの言葉の影響で。
あの日以来、私は男子からよくからかわれることになった。
マシュマロマンとか、くるくるワカメとか。
小学生にありがちな幼稚なものだけど、弱虫な私にはかなり辛いものだった。
ちゃんと自分の意見を言える子とか、気の強い女の子だったら。
「何言ってんのよ!」とか。
簡単に言い返せちゃうんだろうけど、私には無理で。
ただ言われるまま、下を向いて悔しいのを我慢するしかなかった。
それが面白くて男子の私を中傷する言い方はどんどんエスカレートして、私は毎日泣かされた。
よく泣いてた。



あの日以来。
蒼吾くんは何度か私に話しかけようと試みてたけど。
弱虫な私は逃げる一方で、彼と話すことはなかった。
今さら何を言っても言い訳にしか聞こえないし、何よりも私が男子に言われてるのを見て何も言ってこないのが一番の証拠。

だからあれ以来。
彼とコトバを交わすことはなかった。




私は。
ちょうどその頃から何かあるとおなかが痛くなるようになって。
授業中にトイレに行かせてもらったり、ひどい時は保健室のベッドで休ませてもらう日もあった。
そんなんだからますます尾びれがついて、サボリ魔とか、うんちちゃんとか言われるようになって。
私はますます学校が嫌いになった。
腹痛の原因は神経性のもの。
心配事とか嫌な事があると痛くなるもので、原因は明らかに学校でのこと。
ママが心配して学校に相談しに行くって憤ってはいたけど、それは無理やり頼み込んでやめてもらった。
だってあの茂野先生の事だもん。
「俺のクラスにいじめなんて許さんーー!!」
とか言って、熱血しちゃうに決まってる。
そんな事になったら、のちのちどんなことになるか想像しただけでも恐怖。
自分が我慢すればいいだけ。
おなかが痛くなるのは自分が弱いせいだから。
そう言い聞かせて、我慢の日々は過ぎていった。







六月の半ばを過ぎてプール開きを1週間後に控えた日。
突然事件は起きた。




あの日はひどく蒸し暑かったのを覚えてる。
4時間目に授業返上で4年生全員が集められた。
男子と女子別々で。
それぞれの教室に分けられて女子は視聴覚室でビデオを見せられた。
いわゆる性教育のビデオ。
男女の体の仕組みの違いとか、月経が始まったらどうとか。
ごくソフトで簡単なものだけったけど。
そんなの無縁な私としては結構ショッキングだったのを覚えてる。

そういえば女の子の中でも、早い子はこの時期ぐらいになると月経が始まったとか、少し胸が膨らんできたとか。
そうゆうのをちらほら聞くようになって。
体育の着替えも、4年生になってからは別々の部屋で着替えるようになった。
たいていそういう話題はその時。
もちろん奥手で引っ込みじあんな私はその話題に加わることはなくて。
他の子たちが話してるのを聞いてるだけだった。

ビデオ鑑賞以来、妙に男子も女子もお互いを意識するようになって。
ちょっと前までは誰が誰を好きとか、一緒に帰ってたとか、その程度だった話題が。
誰と誰が付き合ってる、とか。
手をつないだとか、キスをした、とか。
小学生にはまだまだ早いんじゃないの?みたいな下世話な話題も耳にするようになった。

まあ、私には当分関係のない話で。
別に誰と誰が付き合って、手をつないで一緒に帰っても関係ない。
そんなぐらいにしか思ってなかった。



だから。
あんな事件が自分に待ち構えているなんて思いもしなくて。
あの日の出来事は。
忘れたくても、二度と忘れられない。




NEXT→
魔法のコトバ*  Season3 comments(0) -
スポンサーサイト
- - -
Comment








<< NEW | TOP | OLD>>