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魔法のコトバ*  Season4 放課後-7-
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魔法のコトバ* Season4 放課後-7-

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放課後は、美術室に行った。



活動日でないこの日は、昨日と同じで誰も来ていなくて。
活気のない美術部に、少し物足りない寂しさを感じたけれど、佐倉くんが笑顔で迎えてくれたことで、その寂しさはどこかへ飛んでってしまった。
彼の笑顔は、安らぎを与えてくれるから不思議。


顧問の先生から預かったという大きなスケッチブックと、1ダースの鉛筆を佐倉くんから受け取った。
今の部員の課題は。
文化祭で開かれる校内個展へ向けて、作品を提出すること。
佐倉くんは水彩画を出品する為に、準備室でデッサンをしていた。
あの時見つけた何枚ものキャンバスは、全部、佐倉くんが描いたものなんだって後から知った。
すごい。
佐倉くんにそんな才能があるなんて、知らなかった。
ふと視線を泳がせた校庭の風景は。
キャンバスに描かれていた光景によく似ている。




描きかけのスケッチブックは真っ白なまま、鉛筆を置いてぼんやりと視線を外へと泳がせた。
考え事ばかりしてるから、思うように手が動かない。

「何かあったの?」

ふと、佐倉くんに、そう聞かれた。

「ここに来てからずっと、溜息ばかり。上の空で手も止まってるし……何か考え事?」


今朝の蒼吾くんの態度が、気になって仕方がない。
彼の困ったような表情が頭からずっと離れないだなんて、どうかしてる。
また、何か云われるんじゃないか……。
そう思うと、大きなため息が零れた。



「今日はもう、その辺にしておいたら? その様子じゃ、はかどるものもはかどらないだろ?」
せっかくの部活動初日なのに、これじゃあ何の為に、ここに来たのか分からない。
何やってんだろ、私。
「俺も今日はもう上がるつもりだから───よかったらこの後、付き合わない?」
「…え?」
「画材を見に行くつもりなんだけど…。ましろちゃんも一緒に、どうかな?」
「…いいの?」
「喜んで。ましろちゃんが一緒だと俺も楽しいから。じゃあ、外で待っててくれる?
俺、準備室の鍵を職員室に返してくるから」
「うん。わかった」
「じゃあ後で」


佐倉くんは手早く片づけを済ませると、私にそういい残して廊下の向こうに消えた。
その姿を見送ってから、自分の荷物を片付けて、私も美術室を後にした。





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