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魔法のコトバ*  Season4 放課後-8-
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魔法のコトバ* Season4 放課後-8-

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下靴に履き替えて、玄関を出た。
まだ運動部の活動時間のグラウンドは、いろいろな音が入り混じって騒がしい。
凪ちゃんの姿を探して、背伸びをしてみたけれど。
人の姿を遠目から認識するのが難しい夕暮れ時で、凪ちゃんの姿は見つけられなかった。
校門まで出ると。
西の空がほんのり夕焼け色に染まっていて。
ずいぶんと陽が落ちるのが早くなったんだなって。
ぼんやりと空を見上げながら、そんなことを思った。


「ごめんな、待った?」
「…ううん。待ってない……よ──────」


あれ?

隣で同じように誰かを待っていた女の子が、怪訝そうな顔で私を見た。
うっ、わー。
ボーっとしてたから間違えちゃった。
てっきり佐倉くんだとばかり。
私は恥ずかしくなって下を向いて顔を隠した。




……やだ。
これって、私も──────。




佐倉くんと待ち合わせしてるみたいに、見えるんじゃないのかな。
校門での待ち合わせなんて、カップルの王道だ。
もっと目立たない場所にすればよかった。
勘違いされたら、佐倉くんに迷惑かけちゃう。
人の噂って、すごく苦手なのに───。







「じゃーな〜!」
「うーーっす!」


自転車の集団が私の前を駆け抜けた。
その中の一台が、キーッとブレーキ音を響かせて、私の目の前で止まる。
俯いた視界に映り込んだのは、薄汚れたスニーカーと、藍色の自転車。






これ…って、まさか──────。






見覚えのある深い藍色に、私は恐る恐る顔を上げた。








うわ…やっぱり……。




蒼吾くんだ。









彼の顔を認識したとたん、私の顔が引きつった。
なんでわざわざ、こんなところで止るのよ。







「園田」


地面に片足をつけた状態で、蒼吾くんがじっと私を見遣る。
あきらかに私を見つけて立ち止まった───そういう感じの態度に、私はびくびくした。
石ころのように動けなくなって、そのまま固まってしまう。
ここから逃げたくて仕方ないのに、足が棒のようになって動けない。
蒼吾くんはじっと私を見つめたままで、何も言わないから、余計に息苦しく感じる。
何も言わずに立ち尽くすだけの私たちを、行きかう人々が、不思議そうに振り返った。









やだ。やだ。やだ。
なんだか──────怖い。







私はまた、じわじわとお腹が痛くなるのを感じて、ぎゅっと唇を噛締めてそれに堪えた。
こんなところで、座り込みたくない。
また、蒼吾くんの前で。
弱いところなんて、見せたくないのに。








「園田」


先に口を開いたのは、蒼吾くんだった。







「……あのさ。お前、今、時間ある? オレ、お前に話したいことあるんだけど…」



私はぶんぶんと、これでもかってなぐらい首を横に振ったけれど。
蒼吾くんは簡単には、あきらめてくれなくて。





「お前がオレと、話したくないのは知ってる。けどさ……ちょっとだけ、いいか?」



そう言って近づいてきた。







どうしよう…。
蒼吾くんとなんて、話したくないのに。
ましてやふたりきりでなんて──────絶対に、やだ。
無理に決まってる。








どうしようもなくなってしまった私は、蒼吾くんの顔もろくに見ることもできずに、ただひたすら俯いて蒼吾くんが諦めてくれるのを待った。




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魔法のコトバ*  Season4 comments(2) -
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Comment








蒼吾♪蒼吾♪
続きが楽しみ(#^.^#)でも明日から当分見れない・・・(T△T)帰ってきてから続き楽しみにしてまぁ〜〜っす☆
from. はづきゆみ | 2006/11/15 20:59 |
-+-はづきへ-+-
続きをお楽しみに体に気をつけて行ってらっしゃいませ〜。
お帰りの際にはイラストを楽しみにしておりまする(笑)よろしくどうぞ。
from. りくそらた | 2006/11/15 23:52 |
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