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魔法のコトバ*  Season5 スキなひと-1-
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魔法のコトバ* Season5  スキなひと-1-

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それから。
毎日がごく平凡に過ぎていった。
月末には体育祭が催され、一時期お祭り騒ぎで盛り上がった校内も、本格的な秋の訪れと共に日常を取り戻していった。

そうこうしているうちに、テスト期間に突入して。
毎日のように参加していた部活もその期間中、活動が中止された。
美術室に顔を出すこともなくなって、クラスの違う佐倉くんとはたまに廊下で顔を合わす程度で。
何だか物足りないような日々と、テストに追われる毎日が慌しく過ぎていった。
ようやくテストが終わって、帰ってきた答案に頭を抱える頃には。
季節もすっかり秋を迎え、冬の制服が心地よい季節になった。










「ましろ、何か嬉しそうだね」
久しぶりに部活に心躍らせながら帰り支度をしていると、凪ちゃんがニヤニヤしながら私に話しかけてきた。
「テストが終わったの、そんなに嬉しい?」
「…あたりまえでしょ」
「でも、また毎日、部活動に追われるのかって思ったら憂鬱にならない?」
「ううん。全然」
だって嫌じゃないよ、部活。
私は首を横に振った。
「ふーん」
またニヤニヤ。
「だからなに? 凪ちゃん。さっきから変だよ?」
らしくない笑い方。
へんなの。


「ましろちゃん」


教室の外から呼ばれて私は振り返る。
男の子にしてはトーンの高い声。
廊下の窓の向こうで、私を見つけた佐倉くんが嬉しそうに手を上げた。

「今日、美術、行く?」
「うん。そのつもり」
「じゃあ先に行って鍵、もらってくるよ」
「うん。あとで行くね」
手を振りながら後ろ姿を見送ると、嬉しそうに私を見つめる凪ちゃんと目があった。
「ふ〜ん」
凪ちゃんはニヤニヤ。
「ましろ、なんか雰囲気変わったな〜って思ってたけど…、原因は佐倉?」
「……え?」
「だってましろ、部活のある放課後が一番生き生きしてるんだもん」
ようやくニヤニヤ笑いの意味が分かった。
私と佐倉くんの仲を勘ぐってるんだ。
「ち、違うってば!変な勘違いしないでよ」
慌てて首を横に振る。
だって本当に違うんだもん。
「そんなに慌ててると、余計に怪しいよ? ま、私としては佐倉とうまく行ってくれたほうが嬉しいけど?」
「だから違うってば!!」
真っ赤になって否定したけど、凪ちゃんはなんだかとても楽しそうで。
「ましろが生き生きしてるのは嬉しいから、それが佐倉のおかげなら感謝しなきゃね。
もういっそ、付き合っちゃえば? もっと変われるかもよ?」
「もうっ!だからそんなんじゃないってば!」
私は大げさなくらい首を振って否定した。
「でももし仮に佐倉から告られたら、ぶっちゃけどうする?」
何言ってるの、凪ちゃん。
「それはないから」
ありえない。
そんなの考えたこともない。
佐倉くんは嫌いじゃないよ。
好きか嫌いかで聞かれたら、迷わず好きって言える。
でも、彼氏彼女の関係を考えたらどうなのかな。
佐倉くんの彼女って、幸せかも。
すごく、大事にしてくれそう……。


「嫌じゃないんだ。佐倉のこと」
「嫌なわけないじゃん。佐倉くん…いい人だよ」
「ましろ、すごく真剣な顔。一瞬、佐倉と付き合ってる自分を想像しちゃったでしょ?」
「違うってば!」
「結構、似たものカップルだと思うけど? 佐倉もましろのこと、特別っぽいし。付き合っちゃえば? 佐倉なら私も安心だな〜」
「もう! だから、違うってば!」
「はいはい」
私の言葉を軽くあしらった凪ちゃんは。
「久しぶりの部活、楽しんできてね」
茶化すように笑った。
「もう!」
私が頬を膨らませながら凪ちゃんと一緒に教室を出ようとすると。
「日下部さん」
凪ちゃんがクラスメイトに呼び止められた。




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